2025/09/05 10:13
「ワインといえば?」と聞かれて、フランス・ボルドーや、アメリカ・ナパ・ヴァレーの名前を挙げる方は多いと思います。
洗練されたボルドーの赤。陽気で果実味あふれるナパのカベルネ。
どちらも魅力的で、ワインの世界を語るうえで外せない存在です。でも今、世界のワインシーンで密かに注目を集めている国があります。
それが、スペインです。
「スペインって安いテーブルワインのイメージが強いよね」
——そんな声をよく聞きます。
たしかに、10年前まではそうだったかもしれません。
でも近年、世界中のソムリエやインポーターたちが再びスペインに目を向け始めているのです。
なぜなら、スペインには:
・古木のブドウ畑が今も数おおく残っている
・過酷な環境(土壌・気候)が逆にワインに深みを与える
・小規模・家族経営で妥協のない造りを続けている造り手が多い
といった、“本物志向”のワインファンが求める条件がすべて揃っているから。
しかも、これだけの魅力を持ちながら、価格はまだ適正水準。
つまり、「本当に価値ある一本」に出会える可能性が高いのが、いまのスペインなんです。
スペインは実は、ぶどう栽培面積世界一の国。
にもかかわらず、日本に入ってきているワインはほんの一部。
たとえばカタルーニャ地方のプリオラート。
黒い岩だらけのリコレリャ土壌と急峻な斜面に古木のブドウが育つこの土地は、まさに自然との闘いの中で生まれる芸術品。
あるいは、リオハの中でも伝統を重んじるビウラ(白ワイン品種)の造り手たち。
手摘み・自然酵母・無濾過——派手さではなく、誠実な仕事の積み重ねが味に出るスタイルです。
彼らの共通点は、「市場に迎合しない」こと。
彼らにとってワインは、“売るための商品”ではなく、家族と土地に誇りを持つための表現手段なんです。
ボルドーやナパは今や「成熟市場」ですが、スペインにはまだまだ発掘されていない宝物が眠っています。
ワイン通の中では、「ボルドーに疲れたらスペインに行け」「ナパに飽きたらプリオラートに出会え」という声もあるほど。
価格と品質のバランス、ストーリー性、そして“まだ知られていない”というわくわく感。
いま、スペインこそが「ワインの次の目的地」なのです。
あなたのワインセラーに、まだ“スペイン”はありますか?